色にもイロイロありますが,今日はジュースのもとである果汁原料についてお話ししましょう。
「ジュース」って世界的には「100%果汁」が常識です。ただ,日本では長いこと100%ジュースを普通に飲めなかったので,なんでも清涼飲料をひっくるめて「ジュース」って呼んでいます。
ジュースは100%果汁ですから,原料となる果汁がとても大事です。
果汁を作るには,収穫・選別・搾汁・殺菌・保管・出荷,という工程が基本です。濃縮果汁という言葉を聞いたことと思いますが,濃縮とは,果汁を主に熱して水分を飛ばす事を言います。もちろん,鍋で煮込むような真似はしませんよ(^_^)
濃縮果汁にすると,水分量が減るので保管輸送効率が上がります。反対に濃縮していない果汁のことを「ストレート果汁」と言います。海外で「Not From Concentrate」って書いてあれば,それがストレート果汁の事です。
日本の果汁は,ほとんどが輸入品です。とても多く果汁を,とても多くの国から輸入しています。メジャーなところでは,オレンジが米国やブラジル,リンゴが中国やヨーロッパ方面,グレープフルーツは米国やイスラエル・・・
え,イスラエル!?って思いました?
実はイスラエルってグレープフルーツの産地なんですよ。スウィーティーって聞いたことがあるでしょうか?オロブランコが正式名称ですが,これも名産品ですね。
とまぁ,いろいろな国から輸入しています。いずれにしても海外から時間をかけて運びますから,濃縮果汁にして容積を減らさないと高くて商品化できません。
ところで果汁って,搾るだけじゃないんです。リンゴジュースが茶色の透明なことってありますよね?これは果汁を透明化しているからなんです。リンゴは透明果汁が世界のほとんどですが,オレンジは透明果汁ではない・・・と種類によってもいろいろだったりします(^^ゞ
そうそう,缶チューハイって,大抵,透明果汁を使っています。これはアルコール成分と果汁が反応して濁ってしまったりする場合があるからと聞いています。
今回の写真は,雄山株式会社という神戸にある商社が取り扱っている商品のサンプル展示を撮影したものです。
とまぁ,果汁にもイロイロあるわけですが・・・最後に。
果汁って,農産物を搾って作る自然の恵みのたまものなのです。ですから当たり前ですが,味や香り,色にもイロイロあって当然です。同じ「オレンジ」でも,産地や品種,その年の出来不出来によっても,味や香り,色が違います。八百屋やスーパーで売っている青果物と同じことです。
ですから果汁を飲むときは,そんな産地や品種にも思いを馳せてみてください。果汁製品が酸っぱかったり甘かったりするのは,まさに農産物だからデス。それに,値段も。高くなったら不作なのかな?安くなったら豊作かな・・・なんてイロイロと想像しながら楽しんで下さいね。