ハウス,ミネラルウォーター撤退!
ハウス食品はミネラルウォーター事業から撤退し,日本を代表する老舗ブランド「六甲のおいしい水」に関して,その事業をアサヒ飲料に事業譲渡すると発表しました。
譲渡内容は,ハウス食品社の六甲工場(六甲のおいしい水製造工場)と,灘採取場(取水地は,この採水場のほかに六甲工場でも行っています)の土地建物を含む一式です。5月末で事業譲渡を終了し,6月よりアサヒブランドで製造開始,7月より発売というタイムスケジュールになっています。譲渡金額は53億円,六甲のおいしい水の売上高は121億99百万円(2009年3月期末)と発表されています。
「六甲のおいしい水」は,家庭用ミネラルウォーターのハシリブランドで,発売は1983年に遡ります。 また,今でこそ一般的になりましたが,ミネラルウォーターの殺菌にフィルター濾過を採用したブランドとしてもハシリでした。
さらに他社に先駆け,ユニバーサルデザインや環境に優しい容器設計を2Lペットボトルへ導入したブランドでもあります。ハウス社は,差別化の難しいミネラルウォーターだからこそ,ブランド価値を高めることにいち早く着手したとワタシは考えています。アサヒ飲料社でも,このスピリッツを受け継いで販売されていくことを期待しています。
飲料業界に停滞感が広がるなかで起きたビッグブランドの移動,これもまた飲料業界再編の一つといえるでしょう。